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植物の進化に基づいた分類

 約35億年前に植物の起源となる生物が誕生して以来、環境の変化に応じて植物は多様な種類に分化していきました。そして現在地球上では30~40万種もの植物が現存していると言われています。これら植物の分類について、進化の流れに沿って説明していきます。
原初の植物は、今から約35億年前に海の中で生まれたと言われています。植物といっても、実際には単細胞生物の細菌の仲間で、私たちが想像する「植物」とは大きく違った姿でした。その植物の祖先が「光合成」という能力を手にして、さらに進化を重ねて誕生したのが「シアノバクテリア(藍藻)」です。そして、このシアノバクテリアは、植物が光合成を行うために欠かすことのできない細胞小器官である「葉緑体」の起源になったとされています。


植物の進化
引用:野外観察図鑑2植物(旺文社)p189(2002)

1.藻類

 地球上で最初に誕生した植物のグループです。葉緑体の起源になったとされているシアノバクテリアも藻類の一種です。水中で生活し、細胞内に葉緑体を保持しています。花を咲かせず、細胞分裂や胞子によって増殖します。

 藻類は「主に地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称である」と定義され、ユーグレナ藻類(ミドリムシ等)、褐藻類(ワカメ、コンブ等)、紅藻類(マクサ等)、珪藻類(ツノケイソウ等)、緑藻類(アオノリ等)など、多様な仲間が藻類に含まれています。


2.コケ植物

 水中で生息していた藻類の一部は、大気中でも体内の水分が蒸発しない外層構造を形成することにより、陸上への進出ができるようになりました。そして現在地球上に残っている陸上植物の中で、最初に陸上の生活に適応した植物が「コケ植物」です。コケ植物は根、茎、葉の区別がない植物体構造を持つ、非維管束植物です。
 コケ植物は雌株と雄株があり、それぞれ造卵器と造精器で配偶子を作ります。そして配偶子が造卵器で受精し、できた受精卵は雌株の上に留まったまま成長して胞子体になり胞子のうを作ります。そして胞子のうにおいて胞子が」作られ、胞子は風にのって運ばれ、発芽して配偶体となる、という生活環を持ちます。
コケ植物は、タイ類(ゼニゴケ等)、セン類(ミズゴケ等)、ツノゴケ類(ニワツノゴケ等)の三系統に分けられており、上記の順で系統が分かれていったと言われています。


コケの生活環

3.シダ植物

 コケ植物に含まれるツノゴケ類と同一の起源から、やがて「維管束植物」が進化していきました。維管束植物がそれまでのコケ植物と大きく違うのは、水や光合成産物の通り道である道管・師管などの構造(維管束)が存在する点と、根・茎・葉の区別がつく形態をもつという点です。そして、最初の維管束植物として出現したのが「シダ植物」のグループです。

 シダ植物は無性世代である胞子体と、有性世代である配偶体という2つの世代があります。胞子体の作る胞子が発芽して配偶体がつくられ、配偶体は精子と卵細胞を作り胞子体を形成する、というサイクルが成り立っています(コケ植物との違いは、胞子体が独立した生活を営むという点です)。


シダの生活環


※最新の分類だとシダ植物門(ワラビ、ゼンマイ、スギナ(ツクシ)等)とヒカゲノカズラ植物門(ヒカゲノカズラ、イワヒバ等)の大きく二つに分けられています。

4.裸子植物

 コケ植物やシダ植物は胞子を散布し、その胞子が発芽・成長した後に、卵と精子をつくり受精を行います。しかし過度の乾燥条件下などにおかれた場合、胞子は発芽・成長をすることができません。そこで、花粉(胞子に相当)が風に乗って他の植物体まで達し、受粉し、花粉管を伸ばして受精し、種子を実らせる「種子植物」が現れました。種子植物の新しい仕組みにより、植物は湿潤な環境以外にも生育範囲を広げることができるようになりました。

 最初に誕生した種子植物は、「裸子植物」と呼ばれる卵細胞を包む胚珠がむき出しになった状態の植物です。現在地球上には、ソテツ類、イチョウ類、マツ類、グネツム類の4グループのみが残っています。


5.被子植物

 種子植物の中で、卵細胞を包む胚珠が子房壁で完全に包まれたことにより、裸子植物よりも乾燥や低温に強い性質を持つようになったのが「被子植物」です。

 陸上植物の中では、現在最も多くの種があり広く繁栄しているグループです。胚珠が子房に包まれているため、乾燥などの外的なストレスに耐性を持つことに加え、果実中に種子を含ませそれを食べる動物に種子を運ばせることで広範囲に繁殖することが可能になりました。


種子植物の生活環



さらに被子植物は大きく双子葉類と単子葉類という二つのグループに分けることができます。


双子葉類
子葉が二枚出てくる、維管束は円筒状で形成層があるという特徴を持つ(バラ科、アブラナ科、キク科等)
単子葉類
子葉が一枚出てくる、維管束は散らばっていて形成層がないという特徴を持つ(イネ科、ユリ科、ラン科等)

※植物の生活環の図の引用元:https://csls-db.c.u-tokyo.ac.jp/ 生命科学教育用画像集より